1.マルチメディアとは

第一回(平成9年5月23日掲載)


 難しいマルチメディアの定義

     今回からこのコーナーで、月に2回ほど、マルチメディアについてのお話をさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。
     さて、「マルチメディア」という言葉を今日初めて聞いたという方は、恐らく読者の中にいらっしゃらないだろうと思います。それほど普及した言葉なのに、まだまだ良く分らないのが、この「マルチメディア」です。
     ここでは、まずはこの「マルチメディアって何?」という問いかけに、できるだけわかりやすく答えようと思っています。ところがこれは大変難しく「これがマルチメディアだ。」という答えはなかなかないのです。
     そこで、マルチメディアの言葉の意味、暮らしや産業との関わり、パソコン、インターネット…といった、マルチメディアに関する事柄を、窓を開くように一つずつ説明していくことで、「マルチメディアって何?」という問いの答えにしようと思います。
     次回、最初の窓は「マルチメディアの言葉の意味」です。

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第二回(平成9年5月31日掲載)


 文字、音声、映像など統一媒体

     今回の窓は「マルチメディアの言葉の意味」です。少し硬い話ですが、しばらくおつきあいください。
     1996年のマルチメディア白書には、「マルチメディアは、文字、図形、音声、映像等複数の表現手段を統一的に取り扱うことができる画期的な技術(以下省略)」とあります。この中の「複数の表現手段」というのが、マルチメディアの直訳に近いものです。
     つまり「マルチ」は「複数の」で、「メディア」はマスメディアのメディアと同じで「媒体」という意味です。文字や図形、音声などが、それぞれ一つの「メディア(媒体)」です。(ちなみに、私の職場のS氏が持っている中国語の雑誌では、マルチメディアは「多媒體」と書いてありました。)
     このように、マルチメディアの言葉の意味は、文字や図形、音声などの媒体(メディア)を複数(マルチ)扱ったものということです。
     それでは質問です。字幕入りの映画はマルチメディアでしょうか?
     私の答えは、次回にお話します。

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第三回(平成9年6月26日掲載)


 「対話性」があってマルチメディア

     今回も引き続き「マルチメディアの言葉の意味」です。
     前回の終りに「字幕入りの映画はマルチメディアでしょうか?」という質問をしましたが、それについての私の答えです。
     字幕入りの映画は、それだけでは一般的にはマルチメディアとは言いません。字幕入りの映画は、前回お話したように、文字、音声、映像といった、複数のメディアが組み合わされているのに、何がいけないのでしょうか?
     それは、マルチメディアの要素の一つが欠けているからです。インタラクティブ性、日本語では対話性と言われるものです。つまり、こちらが何かをすることに反応して、変化するということです。
     先程の映画の例で言えば、こちらの考えに関係なく、決まったストーリーを見るだけであれば(ほとんどの映画がそうですが)、この対話性がないのでマルチメディアとは言わない、という訳です。
     次回は、この「対話性」について、もう少しお話します。

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第四回(平成9年7月15日掲載)


 自分も参加できる対話性、大きな魅力

     前回に続いて「マルチメディアの言葉の意味」の中の「対話性」についてです。
     マルチメディアの要素の一つである「対話性」が判るエピソードがあります。
     ここのセンターに「デジタルアニメ七変化」という、ボタンをタイミング良く離すことで、さるとび君というキャラクターが忍者修行をしていくソフトがあります。エピソードとは、
    「アニメなら家でテレビで見ようよ。」
     と言うおばあちゃんに、お孫さんが
    「ちがうんだよ。テレビは決まったようにしか動かないけど、これはわたしが上手くボタンを押さないと、さるとび君が落ちちゃうんだよ。」と応えた、というものです。
     つまり、自分が参加できる、という訳です。テレビゲームも然りで、自分も参加できる「対話性」は大きな魅力です。このセンターには、これ以外にも、たくさんのソフトがあります。「対話性」を実体験したい方は、是非、一度センターへどうぞ。
     次回は、「マルチメディアの言葉の意味」のまとめです。

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第五回(平成9年8月5日掲載)


 コンピューター活用 媒体を統合、対話

     今回は「マルチメディアの言葉の意味」のまとめです。
     「マルチ」は「複数の」、メディアは「媒体」なので、マルチメディアは、文字や図形、音声や映像といった、複数の媒体を統合して扱ったもの、という意味になります。
     また「対話性」が重要な要素で、こちらの問いかけに対して反応する、ということです。ゲームに「参加」できるのも、また、生活や産業の様々な場面でマルチメディアが活用されているのも、「対話性」があるためです。
     もう一つの大きな特長が、コンピュータの活用です。これまでの話のように、複数の媒体を対話的に扱うためには、大量の情報を高速に扱うことになり、そのためにはコンピュータが必要になるのです。
     このように「コンピュータを利用して、複数の媒体を統合して対話的に扱うこと」、これが私の考える「マルチメディアの言葉の意味」です。
     次回から、話題の「インターネット」について考えてみます。

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