別所温泉風景点描

「石湯」

「大湯」

「大師湯」
 

別所温泉俯瞰図

 別所温泉は塩田平の西の奥、夫神(おがみ)岳と女神岳のやまふところに抱かれた、落ち着いた雰囲気のただよう温泉です。古くは11世紀のはじめに清少納言が書いた「枕草子(まくらのそうし)」に好ましい「湯」として「七久里(ななくり)の湯。有馬の湯。玉造の湯。」と書かれており、そのなかの「七久里の湯」は別所温泉のことだということです。また日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征のおりに発見したともいわれ、いずれにしても古くから人びとに親しまれた温泉だといえましょう。

 

 

塩田平俯瞰図

 この地域は古くは東山道を経て人や文化が運ばれ、また鎌倉時代には鎌倉北条氏の有力者の一人、北条義政が1277年に塩田庄、独鈷山のふもとに居館(やかた)を構え、この地域を治めたことから、鎌倉文化が栄えるようになりました。このような歴史的な流れのなかで、「信州の鎌倉」といわれる、中世の文化財が数多く残された地域が生まれました。