前山寺参道

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前山寺

  

 

  

 ある秋の夕暮れ時、思い立って久しぶりに前山寺を訪れました。長い参道を登りつめると、閑静な山門いっぱいに銀杏の黄葉が広がります。そして山門をくぐりぬけると、すばらしい風景が展開していました。
 小さいけれど優美な三重塔が、一刻(いっとき)の夕映えの独鈷山の紅葉を背景にたたずみ、銀杏の古木の黄葉がはらはらと風に舞っていきます。そして一きわ強い風が吹き出すと、塔の軒先につるされた風鐸(ふうたく)がからからとなり、銀杏の落葉が降るように落ちていきます。
 そこには自然と調和し、永い風雪に耐えて存在して磨き上げられた美しさがあります。そしてそれが、私たちのこころを癒(いや)してくれます。